雪うさぎ日記

お気に入りのモノや本、趣味のことなど何でもありの雑記帳ブログです。気ままに更新

似合う色

そのセーターを着た瞬間、顔色がぱぁっーと明るくなり、自分の周りの空気まで変わる気がする。グレージュのタートルネックのセーター。

 

50代半ばのある日、今まで来ていた服が急に似合わなくなったと感じた。どれもこれも似合わない。それまでファッションには疎かったので、ものすごく困った。どうしていいのか分からないのだ。お店に行ってみても、「これだ!」というのが見つからない。通販で買っては返品を繰り返す。

 

若い時は何を着てもそれなりにサマになっていたような気がする。おしゃれではなかったけれど、別に服に違和感はなかったし、着ていて変な感じもなかった。

 

それがどうだ。昨日まで着ていた服に突然違和感を覚えるなんて。歳とったから?体型が変わったから?ともかく今までの服が着られない。サイズもデザインも自分の気持ちも。服を入れ替える必要がある。

 

どうしたらいいのか・・・図書館で50代向けの着こなし関連の本を借りまくった。有名なスタイリスト地曳いく子さんの本が参考になった。そっか、こういう風にやってみよう!どうすればいいのか、方向性が見つかったような気がした。それでしばらくはがんばってみたものの、やっぱりまだ「なんか違う」感がぬぐえない。またまた迷路に迷いこむ。

 

以前テレビの番組でドン小西さんが、自分の持っている服でコーディネートしてくれるという企画があった。それが驚くほど良くて、わたしもスタイリストさんにコーディネートしてもらえたらなぁ~と心の隅っこで思っていた。普通の人がスタイリストさんにお願いなんてできるのかなぁ。

 

そういえばニュースで聞いたことがあるような気がする。百貨店の有料サービスで、スタイリストさんのアドバイスを受けられるって。調べてみると地元のデパートでもやっていた。思い切ってファッション診断に申し込んでみる。おしゃれにはとんと疎いわたしが、スタイリストさんに?しかも今まで99%縁のなかったデパートへ?わたしは芸能人か?ぐらいの遠ーーーーい世界へ行こうとしているような感覚だった。(ホント庶民なんです、わたし)

 

ファッション診断でまず「何をどういう風に着ればいいかわからない」と50代半ばからの苦悩(?)を訴えた。「そうなんですね~ファッション迷子になっていたんですね~」というスタイリストさんの言葉に、すこし気が楽になった。こんなところにわたしなんかが来ていいのだろうか?というおどおどした気持ちがずっと強かったから。

 

パーソナルカラー診断。ブルべとかイエべとか、聞いたことあるけどぼんやりとしかわからなかった言葉たちに対面した。

肩に布の色見本を当ててみて驚いた。似合う色と全然似合わない色がはっきりとわかるのだ。誰の目にも明らか。わたしはベル―ベース夏タイプと診断された。知ってみるとなるほどと思う。今まで真逆のイエベ秋タイプの色を選んでいたりした。似合わないはずだ。

次は骨格診断。骨格タイプについては、具体的な有名人を例に挙げて教えてもらったので分かりやすかった。わたしはウェーブタイプと診断された。これにも納得。自分でも似合わないスタイルは選んでいなかった。ただ、更年期以降の体型変化を隠すような服を選んだりしていて、それは失敗だったんだなと気づいた。

なんとかなりそうだ。

 

そして冒頭の服である。ファッション診断を受けなかったら、多分選ばなかったであろう色。ほんとうによく似合う。色には幅があり、同じ名前の色でも似合う・似合わないがある。たまたま通販で買ったそのグレージュはわたしにピッタリだった。そんなあいまいな色があるのさえ知らなかったし、自分にこんなに似合うなんて知らなかった。その服を着るたびに晴れやかな誇らしい気持ちになる。高価なものではないけれど、今一番のお気に入りだ。